ブログ

ブログ

【どうしたら良いの?男性育休】①制度周知・意向確認

その他

昨年(令和4年)10月に改正育児介護休業法が施行されてから1年、産後パパ育休という言葉を見かける機会も増えたように感じます。

とはいえ、実際の実務で男性育休の対応や手続きってどうすれば良いの?という人事労務担当者も少なくないのではないでしょうか。

また、男性の多い職場では育児休業の手続き自体にあまり経験が無いケースもありますよね。

そこで!ブログ内連載として、特に「初めて男性育休の相談を受けた場合」に焦点を当て、どうしたら良いの?をシリーズでお伝えしていきます。

初回は、妊娠・出産等の申出を受ける前に人事労務担当として知っておきたいこと、申出を受けたときにまず行うこと、です。

従業員本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対しては、会社は面談や書面の交付で個別に制度周知・休業取得意向確認を行わなければなりません。

この制度周知では、以下の4点すべてについて周知することが必要です。

①育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)に関する制度(制度の内容など)

  • 法律や就業規則で定められた出生時育児休業(産後パパ育休)や育児休業の制度、それぞれの取得できる期間、日数、分割の回数、申出の方法など。
  • 育児休業は法律で定められた労働者の権利ですので、就業規則で育児休業の制度を設けていないからと拒むことはできません。
  • また正社員だけでなく、有期雇用労働者も一定の要件を満たせば取得することができます。

参照:マンガでわかる!育児休業制度(厚生労働省)

②育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)の申出先(例:人事部など)

  • 申出は口頭でも可能、とされていますが、円滑な措置の実施のためにあらかじめ社内で申出先等を決めておき、その周知を行っておくことが望ましいです。会社として申出方法を指定する場合は、申出方法をあらかじめ明らかにしておく必要があります。ただし指定した方法によらない申出があった場合でも、必要な内容が伝わるものである限り、措置を実施する必要があります。

③育児休業給付に関すること(例:制度の内容など)

  • 雇用保険に加入していて、育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上ある方が対象となります(いわゆる失業保険と同じですね)。
  • 育児休業期間中に就業する場合は、各支給単位期間ごとの就業日数や時間、賃金額に応じて不支給や減額となる場合があるため注意が必要です。

参照:パンフレット「育児休業、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します」(厚生労働省)3~5ページ

④労働者が育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)期間に負担すべき社会保険料の取扱い

  • 取得時期や日数、期間中の就業日数といった条件によって、社会保険料が免除される場合・されない場合があります。
  • 休業取得の意向がある場合には、具体的な取得予定を確認しながら「どの場合に何月分の保険料が免除になるのか」を正しく把握し周知することが必要です。

参照:リーフレット「育児休業等期間中の社会保険料免除要件が見直されます。」(厚生労働省)

制度周知や休業取得の意向を確認する際は、取得の申出をしないよう威圧する、申し出た場合の不利益をほのめかす、取得の前例がないことをことさらに強調するなど、取得を控えさせるような形で行ってはいけません。

なお、意向確認の措置は、事業主から労働者に対して、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかの方法で、意向確認のための働きかけを行えばよいとされています。面談の場合は個別周知や意向確認の実施内容について記録が残らないため、必要に応じて記録を作成しておくと良いでしょう。

 

また、相談窓口の設置など、育児休業を取得しやすい雇用環境整備の措置も事業主の義務となっているため、取得の申出があってから慌てないように対応していくことが必要です。育児介護休業法の改正内容はこちらのパンフレットで詳しく解説されています。

パンフレット:育児介護休業法 令和3年(2021年)改正内容の解説 (厚生労働省)

 

次回は、休業取得の意向を受けた場合の具体的な対応について、を予定しています。お楽しみに。