働き方改革?マスコミなどでその名は耳にするけれど、実際どのような制度か理解されていますか?
2019年4月より順次施行されるこの改革(法改正)は、中小零細企業から大企業まで大きな変革を迫る内容になる可能性があります。
ぜひ、正しく理解し、その対応を早い段階で検討して頂ければと思います。
~働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます~
(※引用:首相官邸「働き方改革の実現」)
現在、日本では少子高齢化が進み、労働力人口が想定以上に減少しています。このままいくと日本の総人口は2105年には4500万人に減少すると内閣府では予想されています。このままでは、国全体の生産力低下・国力の低下は避けられないとして、内閣が本格的に動き始めた改革、それが「働き方改革」です。
では具体的な国の労働力不足の解消の対応策としては以下の3つが考えられます。
① 働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者の市場進出、外国人労働者の活用)
② 出生率を上げて将来の働き手を増やす
③ 労働生産性を上げる
しかし、上記の労働力不足の解消にための働き方改革を実現するためには3つの課題があります。
① 長時間労働問題
② 非正規雇用労働者と正規雇用労働者の格差問題
③ 労働力人口不足
こうした課題をクリアーするため、具体的な法改正が行われました。以下、ほとんどの企業で対応が必要とされるであろう改正項目3つを挙げております。
① 時間外労働の上限規制が導入されます。
【施行:2019年4月1日~ ※中小企業は、2020年4月1日~】
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし 、臨時的な特別事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む )、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要があります。
→ 新形式での協定書の提出の遵守や時間外労働時間の管理の厳格化などの対応が求められます。特に月80時間以上の時間外労働が発生している事業所は要注意です!
② 年次有給休暇の確実な取得が必要です。
【施行:2019年4月1日~】
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。
→ 労働者個々に毎年5日以上の消化実績の管理が必要となります。(ただし、4月1日に年次有給休暇の付与日を統一しているなどの場合には、全体で管理することも可能です。)
③ 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差が禁止されます。
【施行:2020年4月1日~ ※中小企業は、2021年4月1日~】
同一企業内において、正規雇用労働者 と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用派遣)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。
→ 平成30年の最高裁判決(ハマキョウレックス事件)を受け、今後訴訟が増加することが予想されます。国も同一労働同一賃金の動きにありますので、それらを踏まえ、有期契約労働者やパートタイム労働者(パートタイムの不合理な待遇差の禁止は以前から法令化されています)の就業規則における賃金制度の見直しが必要になるかと思われます。
今回の改正項目は上記以外にも複数あります。企業ごとに改正内容に対しどのような対応をするか変わってくるかと思います。弊社では、昨年より外部団体からのご依頼により「働き方改革セミナー」の講師などもさせて頂いた実績が御座います。
昨今の人手不足や外国人雇用など、少子高齢化に伴う労働力人口の減少の影響が確実に御社にも迫ってきております。企業の生き残りをかけ、目を背けず、法令を遵守し、労働者にとって働きやすい職場環境創りを一緒に目指しましょう!弊社では、そのお手伝いを全力でさせて頂きます!